浅草ロマンチック

「これ欲しい!上目遣いに見る彼女、贈りし品は紅と簪」

 

縁の下の猫麻呂

 

ここぞとばかりにこそばゆい上目遣いで見上げる彼女。観光客の込み合う仲見世通りで、握りしめた簪。

「カワイイ娘だね!!」って口紅のバンドルで推してくる下町の人情。男なら、ここは買わずに居られまい。

鎌倉ロマンチック

「みたらし餡と草団子どっちがいい? 聞く君の声響く鎌倉」

 

縁の下の猫麻呂

 

古都鎌倉には、恋人たちのこんなやり取りが飛び交う。江ノ電に乗り、江の島まで足を延ばした。

サーファーが集う地元の蕎麦屋。あっさり一杯のかけそばを分け合った。まだ薄寒い春の出来事。

島根ロマンチック

「恋心 鳴き砂似たり キュンとなる 君に踏まれた 白い星屑」

 

縁の下の猫麻呂

 

出雲大社の帰り道。ふと訪れた琴ヶ浜で、「キュキュッ」と音させて走る君。

星屑のように砕けて散る白砂は、無邪気な君のはしゃぐ姿のように、僕の心を「キュン」とさせます。

あの星砂のように砕け散る日が来るのかも…。

埼玉ロマンチック

「ネット地図 君の住む街何処ぞやと 睨めっこする マウス叩いて」

 

縁の下の猫麻呂

 

グーグルマップで、君の住む街を探して、距離を測ってみる自宅との距離。

昔、好きだった娘も、おんなじことをした記憶がある。それを「こいって」言うんだろう。

熊谷ロマンチック

「遠雷の遠く聞こえる夕涼み 今盛なり 夏の熊谷」

 

縁の下の猫麻呂

 

夏祭り、人手でごった返す街並みに遠く聞こえる雷の音と、光。

いちごシロップのかき氷を片手に、金魚すくいに興じる姿は、まさに夏の風物詩。

また、明日も真夏日が続くのか。涼をくれた浴衣美人に完敗&乾杯。

目黒ロマンチック

「きっといい嫁さんになるよ君、何時何処で買おうか揚げ饅頭」

 

縁の下の猫麻呂

 

早起きは三文の徳、地で言っている彼女。みんな嫌がる裏方を、引け受けるのは、女の子の徳。

正直、旦那になる彼氏が羨ましいと感じる、シュシュで束ねた後ろ髪。幸多からん事、祈る夕べ。

大宮ロマンチック

「帰りしとばかり思いたる君の声聴きハット被る、禿げ頭」

 

縁の下の猫麻呂

 

「先上がります」って、言わなかったな今日も。まぁいいやって思いながら、叩いたドア。

「お疲れ様」と言って出てきた君を見て、禿げた頭を隠した帽子。本当はいることを期待しながら…。

静岡ロマンチック

「ロマンスと絹の羽衣運ぶのは 爽やかな風 三保の松原」

 

縁の下の猫麻呂

 

薄いエメラルドグリーンの風が、軽いシトラスの香りを乗せて、たなびかせる袖元すがすがしくて、向けた鼻先を遮る左手。